和歌山市 漏水配管修繕についての覚書

  和歌山市で、配水管の漏水修理のために断水を行うと広報したが、幸いにも最小限の修理で済んだため、断水は行わずに済んだ、という事象が起きた。関係者は大変な苦労をされていると思われ、感謝したい。現在進行中の事象だが、経緯をまとめてみる。

 漏水が疑われた端緒は、交差点地下にある農業用水路内への水道水の流入を確認したことのようだ。道路には、直径800mmの配水管やそれより細い配水管が埋まっていたが、どこがどのように壊れているかがわからなかったため、もっとも影響が大きいケースを想定して断水区域を想定して発表したと思われる。掘削した所、枝分かれした先の直径150mmの配管から漏水していたことが分かったため、断水は回避された。なお、その復旧の過程で、別の配管(送水管)からの漏水がわかり、対応が進められている。

 断水の連絡が3日前で遅かったというのは一つの反省点だとは思われるが、3日間にもわたる断水を決断した関係者はよく決断したと思う。現場が国道のため国土交通省との協議も必要であったであろうし。直前で断水が回避されたことも、水道事業者として断水は避けなくてはいけないという意識があり、ギリギリまで検証を続けた結果だと思われる。

 一方で、対応策の妥当性は広く検証すべきであろう。

(1) 住民とのコミュニケーション

広報の方法、広報開始から断水までの時間、断水は「起こりうる最悪の事態」と考えていただろうが損傷箇所によっては不要であったのでそのあたりのコミュニケーション、断水を広報することで水道使用量が跳ね上がって別の問題が起きた点、掘削後の断水広報の可能性

(2) 経営的・技術的側面

 損傷箇所を特定するための方法、更新順の妥当性、配水のループ化やブロック化が十分であったか?

 

表:時間経過

月日 時刻 事象
1月8日 国道24号交差点に埋設の水道管で漏水判明
1月16日 17:00 19日夜~22日夜の大規模断水の発表
1月17日 13:00 市長を本部長とする対策本部設置
1月19日 19:00 漏水現場の道路掘削開始
1月19日 22:00 断水開始予定時刻。断水は始まらず
1月20日 1:00 市が報道機関に「断水せず漏水箇所の特定を急いでいます」と文書発表
1月20日 2:18 修繕工事終了(Φ800mm本管の支管Φ150mm配水管の修繕工事が完了)
1月20日 5:00 市が断水取り止めを発表
1月20日 現場で道路下の水路に水深5cmほどの水が流れていることを確認
1月20日 19:00 空洞確認、空洞埋戻し作業を行うため、Φ1,500mm送水管付近を掘削
1月20日 20:30 Φ1,500mm送水管からの漏水を発見

参考①:http://www.city.wakayama.wakayama.jp/1007600/1026825/1026965.html

参考②:http://www.city.wakayama.wakayama.jp/1007600/1026825/1026970.html

参考③:https://www.sankei.com/life/photos/200120/lif2001200039-p1.html