回帰分析あれこれ
回帰分析について調べた。そもそもは、x, y のいずれにも誤差がある場合の回帰直線の求め方を知りたいと思ってネットをさまよった。通常の最小二乗法が独立変数(x)に誤差が無く、従属変数(y)成分の誤差を最小化するものなので、独立変数に誤差がある場合については基本書にあまり記載がない。
調べていくと、臨床医学の領域で、ある1つの値を測定するための2つの分析手法が同一の結果を示すかどうかを検定するための方法として検討されていて、Deming回帰、Passing-Bablok回帰、Bland-Altmanの方法がある、とのこと。
化学系、医学・薬学系でそれぞれの分野での実験目的に応じた解説が行われており、いろいろ読んでイメージが付くようになった。数理的な基礎は一緒なのだが、そこから実際に計算できるとこまでのギャップがあるので、そこを埋めてくれる資料があるのは非常にありがたい。読むだけでは全くダメで、式を手書きで書き下し、実際のデータをエクセルワークシート上で展開して計算し、グラフを図示するみたいなことを繰り返して理解が進んでいった。短時間では無理だが、もう1回調べるのは大変なので、きちんとまとまっているものをリンクでまとめた。
- 独立変数と従属変数のどちらにも誤差がある場合の重み付き直線回帰分析(Demingの簡略法)
- Deming回帰の文献
- 直線関係式(Deming法)と回帰分析(香川医科大学検査部)
- 回帰と相関,知っているようで知らない,その本質:Excel の回帰分析を例として井口豊(生物科学研究所,長野県岡谷市)最終更新:2018年11月16日
- Deming法重み付き回帰分析(産総研)
- 実験データを正しく扱うために-「君子豹変 するかも」サイト(前田耕治, 山本雅博,加納健司)
- 現場の濃度分析技術者のためのデータ解析の基礎知識(秋山 功)
- BioStat (高橋行雄氏;医薬安全性研究会;生物学、薬学、医学、これらの分野にまたがる医薬品開発に携わる人たちの統計の勉強の場)
- とくに、続・高橋セミナー 第3回 応用回帰分析1 -各種の重み付き回帰における逆推定- を参照
- Demming回帰
- Deming, W. E. (1943). Statistical adjustment of data. Wiley, NY (Dover Publications edition, 1985). ISBN 0-486-64685-8.
- Passing-Bablok回帰
- Passing H., and Bablok W.(1983)A New Biometrical Procedure for Testing the Equality of Measurements from Two Different Analytical Methods, Journal of Clinical Chemistry and Clinical Biochemistry, Vol. 21, 1983, pp. 709-720
- Bland-Altmanの方法
- ALTMAN, D.G., Bland J.M.(1983)Measurement in Medicine: the Analysis of Method Comparison Studies, The Statistician 32 (1983) 307-317
- Bland JM, Altman DG (1986). "Statistical methods for assessing agreement between two methods of clinical measurement". Lancet. 327 (8476): 307–10
- 主成分分析、TLS法(Total least square)
- TLS(Total Least Squares)法を用いた航空機の空力微係数の推定、増井和也、1992