そしてお別れ。

朝はホテルの朝食バイキングをとり、着替えて通夜とおなじ会場に向かった。葬儀では、普段のお坊さんでなく、金沢市内の寺格が上の方がいらして、「ご当主さま」とよばれていた。読経の最中も、なにも見ずに読経をしていて、そのあたりに格の違いを見たがどうだろうか。
葬儀は厳粛な雰囲気の中進み、見送る時間となった。外は、雪が舞い散っており、寂しさを感じた。
その後、火葬場に移動して、火葬した。火葬後の、お骨拾いでは、小さな骨壺に主な骨を納め、それよりは一回り大きな骨壺に、3割くらいの骨を納めた。残りの骨は、近くの寺院で供養するそうだ。数年前、埼玉県で祖父が亡くなったときは、すべてのお骨を納めたような記憶があるので、この辺も地域ごとに風習があるのだな、と感じた。

その後、再び葬儀場に戻ってからは、親族で食事をとった。

それらが終わったのち、父の実家、祖母が住んでいた家に行った。祖母はケアホームに入って十年近くたっていて、ながらく人が住んでいない状態で、底冷えがした。こどもの頃は毎年遊びに来ていたので懐かしかったが、周りの様子がだいぶ変わっていて少し寂しく感じた。

叔父の家に移設した先祖代々の仏壇も拝ませてもらった。これまで断片的にしか聞いていなかったが、わたしの家系は江戸時代まではさかのぼれるようだ。ただ、加賀騒動のあった18世紀中頃に一度記録が失われていて、19世紀ころからの記録しかないそうだ。亡き祖父から父が聞いたところによれば、村自体の記録が加賀騒動以後しか存在しないらしい。お寺もその時期に焼失しているとのことだ。

夕方、今度は長男がだだをこねた。18:30〜の某番組が見たいので、遠くまで食べに行きたくないとのこと。仕方なく私と二人でホテルのレストランで年越しそばを食べ、そのままホテルの部屋に戻った。