今週の水関係の話題(2020/3/16-3/22)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水道料金・下水道料金のお支払い猶予について
(東京都)

公共料金の支払い猶予。短期的な資金繰りを助ける意味では取っておくべき施策だと思います。国の方針が示されたあとなので、他の事業体も同様の措置を取り始めています。
関係ないけれど「平成31年度」の表記は残っているんですね。


官製談合か…兵庫県新温泉町の職員を逮捕 建設会社に入札情報漏らした疑い

毎週のように、とは申しませんが、毎月以上にはありますね。
浄水場紫外線処理施設」ということで調べてみると、兵庫県のWebサイトに「生活基盤施設耐震化等事業計画」という資料が公開されています。新温泉町上水道の「諸寄浄水場紫外線処理施設整備」が、水道施設等耐震化事業の対象として挙げられており、事業実施期間はH30-H31、全体事業費は174,246,000円とのことです。記事によると、最低制限価格に近い約1億3748万円で落札とのこと。設計金額≠事業費 でしょうが、落札額÷事業費は、78.8%です。

「LOVE水プロジェクト」

3月22日は、国連「世界水の日」(World Water Day)だそうで、クボタ が「LOVE水プロジェクト」を始めるとのこと。
そのメッセージソングが↓。

エビ中、ヒャダイン作曲で“水道水”への愛を歌う!? WEB動画『Sweet of Sweet ~君に届くまで~』
 クボタが、日本の水インフラを支える人々への感謝と同社の水環境事業の想いを伝えることを目的とした『クボタ LOVE水プロジェクト』を、「世界水の日」の22日より始動。
 それにともない、アイドルグループ「私立恵比寿中学(通称:エビ中)」が、水インフラを支える人々への感謝と高品質な日本の水道水の個性を、音楽プロデューサー・ヒャダイン書き下ろしによるユニークな歌とダンスで表現した『Sweet of Sweet~君に届くまで~』を公開した。

国連「世界水の日」にあたっての、アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

SDGs を進めましょう、というところです。

長野県営水道 水道施設設計基準等について

令和2年4月1日適用で給水装置承認資材を更新します。新しい給水装置設計施工基準の内容は下記をご覧ください。 

 長野県営水道で、給水装置承認資材が2020/4/1から更新されるとの話題。私個人としては、「水道施設設計基準」という文書の方に興味をそそられました。導水から給水まで、基本的には水道施設設計指針にしたがうが、配水について長野県としての基準・方針を定めるもののようです。

水道民営化希望3%のみ 大津市の市民意識調査で判明、公営継続61%が要望京都新聞

大津市は昨年4月、市営ガス事業に全国初のコンセッション方式を導入した。市は「水道はおおむね現状の公営で満足を得ていることが分かった。全国で風水害や地震が相次ぎ防災対応へのニーズも高まっており、今後の在り方を検討する材料にしたい」(企業局経営戦略室)としている。

まあ、あれだけ根拠のないネガティブキャンペーンをされると、実態がどうであれ、反対するかたは多くなるでしょう。手足どころか首の向きも固定され、でも速く走れといわれているようなもので、水道事業者はますます苦しくなっていくでしょう。

社会を分断する「水貧困」を生み出す水道民営化。日本の水道が危ない<岸本聡子氏>

 なんていうか、5周遅れくらいの議論ですよね。岸本氏は「要は、人員削減や賃金カット、そして必要な設備投資の先延ばしによって、数字が改善したように見えるだけです。」とコメントしています。氏は民営化で効率化したことによるツケとして例示していますが、現実の、いまの日本の水道がまさにこの状態です。官が運営していて、人員削減や賃金カットしています。賃金カットはもちろん表向きはできませんが、若い人は水道部門には回さず、長年水道事業に携わった方が再雇用で継続して職務に携わったり、メンテナンスを請け負う官製の企業に退職後に雇用されるなどしているため、現役時代よりも安い賃金で雇用されています。見かけ上、支払賃金は減っていますが、次を担う人材は育っていません。
 民営化しようがしまいが、水道料金は上がります。上がらないための方策として、地域の実情に応じて経営規模を大きくしたり、民間に任せられる部分は任せるといったことがあります。ただ、それだけではもはや無理でしょう。現在は独立した会計となっているところに、税金を投入し、福祉として水道を維持せざるを得なくなるところは出てきます。